野生動物から田畑を守る!
〜 鳥獣害と戦うための意識改革 〜
1 問題化する野生動物
問題化とは野生動物が人の生活に支障を与える現象
・ 農作物の被害
・ 環境被害
・ 人的被害
2 なぜ問題化するのか 原因があるから被害が起きる → 原因は何か? 原因がわからなければ対処できない!
・ 環境の変化 ・・・・・ 人工林の増加、開発などは原因ではない。そこに住む人たちの 生活が変わったことが大きい。
・ 餌の減少 ・・・・・ 山に餌が少ないことはない。ドングリが豊作でも猿の畑への 出没状況は変わらない。
・ 環境への適応 ・・・ 知らず知らずのうちに餌付けていた。楽に餌が食べられる場所は動物 にとっては魅力的な場所。
・ 個体数増加 ・・・ 腹一杯食えば栄養状態も良くなる。
3 被害対策の考え方 動物は食べるために集落に出てくる。そして安全な場所であれば繰り返し餌場として利用する → 被害地域は餌場となっている事実を受け止める。
・ 食 ・・・・・ 餌となるものを与えない
・ 住 ・・・・・ 安心して生活できる環境を与えない
・ 体 ・・・・・ 効率的な個体管理
4 効果的な対策を実施するためには
何が原因かを地域で勉強し共通認識を持って対策を実施する。 ・ 相手を知ること ・・・・・ 動物から学ぶ
・ 餌場を作らない ・・・・・ 動物を集落に呼び寄せる一番の原因
・ 隠れ場所をつくらない ・・・・・ 餌があっても安全でなければ出没頻度は下がる
・ 人は「こわいもの」と認識させる ・・・・・ みんなで実施
・ 追い払いは繰り返し ・・・・・ いつもより一歩前へ
・ 進入経路に有効な柵を設置・相手が本当に嫌がることを考える
・ 地域全体で実施
5 なぜ被害は減らないのか
・ 存在の否定 このあたりにはいない!いるわけがない! ・・・・・ 対策の遅れ
・ 誤った情報 光が嫌い ! 音が嫌い ! 臭いが嫌い ! ・・・・・ 費用と労力の無駄
・ 誤った認識 猿は仕返しをする ! 動物は頭がいい ! ・・・・・ 慣れを生む原因
・ 誤った対策 捕獲中心 ! ひとまかせ ! ・・・・・ 責任転嫁
6 鳥獣害はヒューマンエラー
・ 思い込み
・ 気づかれの遅れ
・ 人任せ
7 餌付けについて考える 野生動物からみると集落内の餌は2種類しかない。
・ 食ったら人に怒られる餌 ・・・・・ 収穫前の果実、野菜など
・ 食っても怒られない餌 ・・・・・ 収穫残りの果実、野菜等。規格外で投棄した果実、野菜等 利用しなくても時期になると実をつける果実。
※どちらを食わせても餌付けである。
8 安全な生活について
・遊休農地は動物が安心して生活できる場所 ・・・・・ 連担は野生動物のバイパス
・空き屋、伐採木の野積みは安全な隠れ屋 ・・・・・ 畑周辺の隠れ屋は前線基地
9 農作物を守る
・ 野生動物の出没パターンは決まっている
・ 野生動物は人の動きを見ている
・ 野生動物の目線で考える
・ 野生動物は得意な行動を利用する
・ 新規作物の導入、作付け時期の変更は慎重に
・ 守りやすい畑をつくる
10 野生動物から畑を守るために
・ 正しい情報と知識の共有
・ 捕獲だけに頼らない
・ 考え方の転換
・ 適切な指導、対策の手本となるリーダーの育成
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横瀬町の有害鳥獣対策への取り組みについて(セミナー資料) |
(1)追い払いの実施について
追い払いについては、年度当初発信機がついているサルが存在せず、「サル位置情報メール」や防災無線での呼びかけによる住民の方からの「電話」を頼りに追い払いを実施していました。 しかし、それでは連絡をもらってから現場に向かうので、到着したときにはサルがどこかに行ってしまっている状況が多々ありました。 そこで、発信機を装着するにはどうしたらよいかを、埼玉県農林総合研究センター鳥獣害防除担当に相談したところ、装着を行っている研究所を紹介していただきました。 発信機を装着するサルの捕獲については、有害鳥獣捕獲を委託している武甲猟友会ご協力のもとワナを設置し、長い時間、多くの餌をかけて捕獲しました。 数多くの方々のご協力のもと、現在、芦ヶ久保地区には発信機が装着されているサルが2頭存在し、テレメトリー(無線遠隔測定法)を活用し、追い払いを実施しております。 また、住民の方が追い払いに使用する「花火」「爆竹」については、振興課窓口及び芦ヶ久保出張所において申請ができますので、ご活用いただき追い払いにご協力いただければと思います。 今後といたしましては、芦ヶ久保地区の住民の方、武甲猟友会、町が連携・協力して一斉追い払いを実施できればと考えております。
(2)有害鳥獣捕獲について
有害鳥獣捕獲については、武甲猟友会へ委託をして実施しています。年間を通して武甲猟友会の皆さまには、有害鳥獣捕獲をはじめとする活動を、数多くしていただいております。 被害の状況を見ても、ニホンジカ、サルについては、個体数が増えすぎていると考えられるため、捕獲の申請数を現状より増やすことも検討しております。
特にサルについては、これ以上増えると群れが分かれてしまう可能性もあるので、重点的な捕獲も検討しているところです。 |
○有害鳥獣捕獲実績 捕 獲 総 数
鳥 獣 名 |
平成23年度 |
平成24年度 |
サル |
7頭 |
6頭 |
ニホンジカ |
66頭 |
49頭 |
イノシシ |
17頭 |
15頭 |
ハクビシン |
15頭 |
21頭 |
ヒヨドリ |
5羽 |
2羽 |
カラス |
0羽 |
2羽 |
カワウ |
0羽 |
1羽 |
タヌキ |
12頭 |
7頭 |
アライグマ |
64頭 |
50頭 |
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※アライグマは「埼玉県アライグマ防除実施計画」に基づく捕獲
(3)電気柵の推進について 電気柵の推進については、埼玉県農林総合研究センター鳥獣害防除担当、ちちぶ農業協同組合営農経済部のご協力のもと、電気柵(電落くん埼玉方式2型(埼玉県農林総合研究センター開発))を芦ヶ久保地区において4月から現在までに、5ヶ所(横瀬町内で計6ヶ所)設置しております。現在のところ、被害情報は入っておりませんので、電気柵を正常に機能させることができれば、農作物を収穫できることが実証されております。 なお、電気柵を設置した場合には、補助金(経費の8割以内、最高5万円)の申請も出来ますので、サルなどに餌を与えないためにも、設置にご協力いただければを思います。
電気柵の設置、サルの位置情報メールの登録など、有害鳥獣対策につきましては担当までご相談ください。
担当 : 横瀬町 振興課 農林グループ
電話 : 0494−25−0114 |
第2回鳥獣害被害対策セミナー (2011)
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平成23年12月12日(月)上記セミナーを開催し、今回は、電牧柵設置の現地講習も行いました。 |
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作業内容の説明(1) |
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作業内容の説明(2) |
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現場で講習(3) |
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電牧柵の設置風景(4) |
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第1回鳥獣害被害対策セミナー (2010)
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平成22年11月30日(火)上記セミナーを横瀬町活性化センターで、山村の生活を脅かす、猿、鹿などの野生鳥獣による農作物被害対策について、専門家を招き開催しました。 |
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